小売等役務商標制度

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小売等役務商標制度について

従来の問題点

小売業者及び卸売業者(以下、「小売業者等」といいます。)は、店舗設計や品揃え、商品展示、接客サービス、カタログを通じた商品の選択の工夫等といった、顧客に対するサービス活動を行っていることが知られています。
しかし、これらのサービス活動は商品を販売するための付随的なサービス(付随的な役務)であること、また、対価の支払いが、販売する商品の価格に転嫁して間接的に支払われ、当該サービスに対して直接的な対価の支払いが行われていないことから、商標法上の「役務」には該当しないとされ、適切に保護されていませんでした。

改正点

小売及び卸売の業務において行われる顧客に対する総合的なサービス活動が、商標法上の役務に含まれるとして、新たな規定が商標法第2条第2項に設けられました。この結果、小売業者等により使用される商標が商標法上の役務に係る商標として新たに保護されることになります。

小売等役務商標制度のメリット

小売業者等が使用する商標は、従来、商品商標として取り扱う商品についての商標登録を行うことによって保護されていました。このため、商品に付ける値札や折込みチラシ等に表示する商標は保護されていましたが、ショッピングカート、店員の制服等に表示する商標は保護されていませんでした。
さらに、取り扱う商品が多種類の商品分野に及ぶ場合は、商標権の取得をする際に、多くの分野で登録をしなければならず、登録のための手続費用が高額になっていました。
しかし、今回の小売等役務商標制度の導入により、従来の商品商標でも保護されていた値札、折込みチラシ等に加え、ショッピングカート、買い物かごや店員の制服等に表示する商標も包括的に保護されることとなります。
また、小売等役務商標として登録する場合は、どのような商品を取り扱う小売業者等であっても、「小売サービス」という一つの分野で商標権の取得をすることができるため、より低廉に権利を取得することができます。

通信販売の形態による小売等役務について

通信販売(テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどの媒体を利用するもの)も、商品の販売を行い、その業務において商品選択を容易にすることや、商品の説明など、顧客に対する便益の提供を行っているものといえます。したがって、通信販売を業として行う者が通信販売に用いている商標も小売等役務の商標として保護を受けることができます。

対象の業務

衣料品店、八百屋、肉屋、酒屋、眼鏡屋、本屋、家具屋、家電量販店、飲食料品スーパー、コンビニエンスストア、ホームセンター、百貨店、卸問屋等のあらゆる小売業、卸売業が対象となります。また、カタログ、テレビやインターネットを利用した通信販売も対象となります。

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