商標の早期審査、基礎からお教えます!

最短で商標登録を果たすための商標の早期審査制度について、丁寧に解説していきます。

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商標登録出願についての早期審査(スピード商標登録)
最短1ヶ月で商標登録が認められる!?

2014年03月27日

JAZY特許事務所・弁理士の河合光一です。

3月16日夜(日本時間17日未明)にソチ冬季パラリンピックの閉会式が行われました。
ソチオリンピックからパラリンピックまで約5週間続いたスポーツの祭典が終わりを告げたわけですが、選手が生み出すスピードに魅了された方も多いのではないでしょうか。

今回は、商標のスピードにスポットライトを当ててみます。それは、商標の審査期間を大幅に短縮できる「早期審査制度」。
早速その概要を解説していきましょう。

早期審査制度(スピード商標登録)を利用する目的は?

特許庁に商標登録出願をした後(出願書類を提出した後)、その商標登録を認めるか否かについての通知(登録査定通知or拒絶理由通知)が届くのは、平均して4~6ヶ月後となります。

「え!そんなに待たされるの?」
「職務怠慢だよ、特許庁!」

── そんな声が聞こえてきますね。

とはいえ、特許庁の審査官もさぼっているわけではないのです。
特許庁には年間約10万件の商標が新たに出願されます。平均で1日に274件ほどの出願書類(商標登録願/願書)が届いているわけですね。
そのため、通常ルートで商標登録出願をすると、審査の順番待ちをしなければなりません。

なお、特許の場合は、特許出願について審査請求をしてから、特許庁から最初の通知(特許査定通知or拒絶理由通知)が届くまでの期間は、平均で29ヶ月(約2年半)程になります。特許に比べれば、商標の審査期間は圧倒的に短いのです。

「そうはいっても、そんなに待てないよ」ということもありますよね。
JAZY特許事務所で早期審査制度を利用されたお客様の背景を挙げると、おおむね以下のような感じとなります。

社運をかけた新商品を、3ヶ月後に大々的に販売開始。
販売した商品が商標権侵害物品となっては、我が社の評判が下がってしまう…

以前から使用している商標について、他社の商標権を侵害する旨の警告書が届いた。
他社の商標とは似ていないと考えているが、商標登録という特許庁からのお墨付きをできるだけ早くもらって、非侵害であると堂々と主張したい。

看板やカタログ・パンフレットのデザインの最終決定日の期日が迫っているが、商標登録が認められてから安心して決定したい。
大量に発注した後に、その商標が使えないとなっては困る。

WEBページで使用している商標に「®(Rマーク)」や「登録商標 第○○号」の文字を付したいが、商標登録していない商標に勝手に付すと懲役や罰金に処せられる可能性があると言われた。
ブランディングの観点から、できるだけ早く権利化したい。

このような事情があるときに、早期審査制度を利用することが有効となります。

早期審査の条件

早期審査制度とは、一定条件を満たす出願について優先的に審査を受けることができる制度です。

具体的には、商標登録出願について、「早期審査に関する事情説明書」を提出し、早期審査の対象と認められると、審査官はすみやかに審査を開始します。
その結果、商標登録の審査には通常4~6ヶ月程要しますが、早期審査制度を利用すれば最短1~2ヶ月程で審査結果がわかります。

このスピードの違いは大きいですよね。そのため、誰もが早期審査制度を利用したいと思うでしょう。
しかしながら、これは例外的に認められるものなので、早期審査の対象となる出願には下記の条件が課されています。
具体的には、■パターン1■、あるいは、■パターン2■のいずれかの条件を満たす必要があります。

■パターン1■
出願商標を指定商品・指定役務に既に使用している又は使用の準備を相当程度進めていて、かつ、権利化について緊急性を要する出願
出願人又はライセンシー(出願人から商標の使用を許諾されている者)が、A出願商標を指定商品・指定役務に使用している又はB使用の準備を相当程度進めていて、かつ、C権利化について緊急性を要する出願
■パターン2■
出願商標を既に使用している賞品・役務又は使用の準備を相当程度進めている商品・役務のみを指定している出願
出願人又はライセンシー(出願人から商標の使用を許諾されている者)が、A出願商標を既に使用している商品・役務又はB使用の準備を相当程度進めている商品・役務のみを指定している出願

A「出願商標を指定商品・指定役務に使用している」ことを示すには、例えば、以下のような資料を提出します。

  • ア.商標が付された商品を撮影した写真
  • イ.商標が付された商品が掲載されたパンフレット又はカタログ
  • ウ.商標が付された商品が掲載された広告
  • エ.商標が付された役務の提供の用に供する物を撮影した写真
  • オ.商標が掲載された役務に関するパンフレット又はカタログ
  • カ.商標が掲載された役務に関する広告

B「使用の準備を相当程度進めている」ことを示すには、例えば、使用開始予定時期(少なくとも、早期審査の申出から3月以内の使用であること)、予定している使用商品(役務)や使用場所等を記載するとともに、商標の使用の準備が相当程度進んでいることを示すものとして、例えば、以下のような資料を提出します。

  • ア.商標が付された商品が掲載されたパンフレット、カタログ等の印刷についてその受発注を示す資料
  • イ.商標が付された商品が掲載された広告についてその受発注を示す資料
  • ウ.商標が付された商品の販売に関するプレス発表や新聞記事等の資料
  • エ.商標が付された役務の提供の用に供する物の受発注を示す資料
  • オ.商標が掲載された役務に関するパンフレット、カタログ等の印刷についてその受発注を示す資料
  • カ.商標が掲載された役務に関する広告についてその受発注を示す資料
  • キ.商標が掲載された役務の提供に関するプレス発表や新聞記事等の資料

C「権利化について緊急性を要する」とは、以下のいずれかに該当する場合をいいます。

  • ア.第三者が無断で、出願商標(と似ている商標)を使用しているか又は使用の準備を相当程度進めていることが明らかな場合
  • イ.出願商標の使用について、第三者から警告を受けている場合
  • ウ.出願商標について、第三者から使用許諾(ライセンス)を求められている場合
  • エ.出願商標について、外国へも出願している場合

早期審査の注意事項

<注意事項1>

上述した■パターン1■を利用して早期審査を受ける場合は、「権利化について緊急性を要する」ことが条件となり、これは上記の4つの場合しかありません。
つまり、自社の都合で早く審査してもらう必要があるという場合は「権利化について緊急性を要する」に該当しないので、■パターン1■を利用することができません。
この場合は、■パターン2■の利用を検討することになります。

<注意事項2>

■パターン2■を利用して早期審査を受ける場合は、出願書類に記載する指定商品・役務(権利取得を希望する商品・サービス)を、既に出願商標を使用している商品・役務とするか、少なくとも早期審査の申出から3月以内に出願商標を使用する具体的な予定のある商品・役務に絞らなければならないことに注意が必要です。
この点が、■パターン1■との大きな違いとなります。

例えば、既に「絵はがき」について出願商標を使用していて、2年後に出願商標を付した「ボールペン」の製造・販売をする予定がある場合、通常ルートの商標登録出願であれば、その出願書類に「絵はがき」と「ボールペン」の両方を含めることができます。
これに対し、■パターン2■を利用して早期審査を受ける場合には、その出願書類に「ボールペン」を記載できないので、「ボールペン」の権利取得を諦めるか、あるいは、「ボールペン」については別途通常ルートの商標登録出願をすることになります。別途通常ルートの出願をするとなると、その費用も必要となります。

■パターン2■を利用する場合に注意すべき例をもう一つ挙げます。
例えば、「地図」に出願商標を使用している場合は、その出願書類に、通常ルートの商標登録出願では認められる「印刷物」という包括的な記載ができません。実際に出願商標を使用している「地図」と具体的に記載する必要があります。

よって、費用や手間を抑えて、できるだけ広範囲に権利取得をしたい場合は、通常ルートの商標登録出願を選択することになります。

なお、■パターン1■を利用する場合は、早期審査の申出から3月以内に使用予定のない商品・役務を含んでいても、そのこと自体が問題とはなりません。

<注意事項3>

早期審査によって優先的な扱いを受けるのは、審査の順番待ちの期間だけ(審査に早く着手してもらえるだけ)だということにも注意してください。

通常ルートの商標登録出願に比べて審査が甘くなるというようなことはありません。

例えば、こんな誤解をしている方はいませんか?

ライバル会社:甲社に似ている商標を、先に出願されてしまった。権利取得を希望する商品も同じ…
幸い、まだ出願されたばかりで商標登録はされていないようだ。
それなら、早期審査の申出をして、先に審査してもらえば、甲社の出願を追い越して我が社:乙社の商標登録が認められるはず!!

原則として、類似している商標が複数出願された場合は、最先に特許庁へ出願した者に商標登録が認められ、2番目以降に出願した者には商標登録は認められません。
これを商標法の世界で「先願主義」と呼びます。

早期審査制度は、「先願主義」の例外ではありません。
したがって、上記の例であれば、早期審査制度を利用したことによって乙社の商標登録が認められるということにはなりません。

<注意事項4>

早期審査の申出をすれば、容易に早期審査の対象となるわけではありません。

上述したようにさまざまな資料を提出することになりますが、この資料は客観性のあるものでなければなりません。
そのため、例えば、既に出願商標を使用していることを証明することは比較的容易ですが、使用の準備を相当程度進めていることを証明することは簡単ではありません。
証明に用いる客観的な資料が揃えられない場合は、早期審査の利用を諦めざるをえません。

また、提出した資料が客観性に乏しい場合は、特許庁から資料の追加を要求され、そのようなやりとりをしている間に数ヶ月経ってしまうこともあり得ます。この場合は、結果として通常ルートの商標登録出願の審査期間と大差ないということになるでしょう。

<注意事項5>

早期審査の申出に際して、特許庁から追加費用を要求されることはありません。無料です。

ただし、特許事務所に依頼して早期審査の申出をする場合は、事務所手数料が追加で必要となることが一般的です。JAZY特許事務所の費用は、お気軽にお問合せください。

早期審査制度を利用したほうがよい場合

早期審査制度を利用したほうがよいケースについては、先にいくつか挙げました。
最後にこれらとは別のケースを説明します。

それは、出願・登録したい商標が短期間で普通名称化してしまうおそれがある場合です。

査定時(特許庁の審査官が商標登録を認めるか否かの結論を出す時)に、出願商標が普通名称(その商品又はサービスの一般的な名称であると認識されるに至った名称)であると判断されると、登録が認められません。
これは、出願時(特許庁へ出願書類を提出した時)には普通名称ではなかったとしても、査定時に普通名称化してしまうと、その商標登録が認められないということです。

したがって、商標登録出願後に、大々的な広告宣伝活動や販促キャンペーンを行うような場合やマスコミの取材を受けるような場合には、普通名称化のリスクを考えておく必要があります。

特に、今まで世の中にない新しい商品やサービスについて使用する商標は、普通名称化しやすいことに注意してください。それ以外に何と呼べばよいかわからないことが多いですからね。

インターネットで情報が世界中に飛び回っている現代では、予想以上の速さで普通名称化してしまうことがあります。

普通名称化してしまうと、その言葉を最初に考えて使用し続けた本人であっても、商標としてその言葉を独占することができなくなってしまいます(商標法3条1項1号)。

商品やサービスが有名になることは喜ばしいのですが、商標登録できない状態になれば、その商標を独占できずに、他人に自由に使用されてしまいます。商標権は存続期間の更新登録の手続を繰り返すことで半永久的に存続させられる権利であるにもかかわらず、普通名称化によって商標登録できないとなってしまっては、こんな悔しいことはないですよね。

そこで、このような場合には、早期審査制度を利用して、できるだけ早く商標の審査に着手してもらうことが有効です。
そして、無事に商標登録が認められた暁には、商標登録表示(登録商標 第○○号)や®(Rマーク)を登録商標に付する等して、せっかく登録できた商標が普通名称化することを防止するようにしましょう。

2014年03月27日

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