商標の由来や想いなどが異なっても、発音が同じ商標は登録できません。

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<教えて!> 商標の由来や想い等が異なれば、発音が同じ商標を登録することができますか?

<教えて!> 商標の由来や想い等が異なれば、発音が同じ商標を登録することができますか?

Date : 2013年05月29日

Text : Kouichi Kawai

※この記事はフィクションであり、実在する人物、団体、登録商標等とは一切関係ありません。

「ASG」という商標は登録できますか?
スーツ一筋20年の職人です。高級スーツに「ASG」を付して販売しています。
「ASG」の由来は「安倍(A)総理(S)のように頑張れ!(G)」です。
お客様からの評判も上々なので商標登録をしたいと考えました。ところが、既にスーツについて「asg」が商標登録されているようです。
「asg」スーツを販売している会社の従業員からこっそり聞き出したところ、「asg」の由来は酔っぱらった社長がつぶやいた「あなた達は(A)最低で(S)がめつい(G)」とのこと。こんな酷い由来のスーツを着ている方が不憫でなりません。スーツの生地も外国の安物が使われています。
一方、私の「ASG」は、高尚な理念に基づき、日本国産の最高級の材料で職人が丁寧に仕立てているものです。大文字と小文字の違いもあります。
出願書類にこれらの事情を記載するなどして、何とか登録に導いてもらえないでしょうか?

回答

残念ながら、「ASG」を登録することはできません。

まず、大文字・小文字の違いはありますが「ASG」と「asg」は互いに類似する商標です。
また、同じ「スーツ」について権利取得を希望するのであれば、実際に販売されているスーツの品質に違いがあっても関係ありません。

そして、特許庁の審査では、商標の由来やそこに込められた想いといったものは考慮されません。

そのため、スーツについて「asg」が登録されている以上、後からスーツについて「ASG」を登録することはできないのです。

なお、出願書類に「商標の由来やそこに込められた想い」や「○○だからこの商標は登録されるべきだ」といった文章を書き添えることはできません。
審査官は、出願書類に記載された商標や指定商品・役務に基づいてクールな判断を下します。

一方、審査官から拒絶理由通知(登録を認めない旨の通知)がされた場合は、「意見書」を提出して「○○だからこの商標は登録されるべきだ」といった主張をすることができます。
ただし、「商標の由来やそこに込められた想い」によって登録が認められることはありません。

せっかく素敵なスーツを作られているのですから、是非「ASG」とは別の素敵な商標を考えてみてください。

河合 光一(かわい こういち)
弁理士
ビジネス著作権検定(上級)取得
千葉県生まれ。早稲田大学大学院商学研究科専門職学位課程ビジネス専攻(MBA)修了/柳孝一研究室(ベンチャー起業論)
著作:廃棄物ビジネスの変革者たち(環境新聞社)の一節を担当

2013年05月29日

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